以前に博士課程在籍中の生活費について紹介しました。
修士課程の時と比べるとなかなか生活費が上がってしまうのですが、大丈夫なものかと...。結論から言ってしまうと、現状特に問題ないです。
そこで今回は、ドイツで博士課程に進んだ場合のお給料事情について少し話したいと思います。
が、注意点です。
今回僕が話すのは自分のお給料をメインとして話すので、ほかの人の場合だとまた変わってきますし、年度によっても変わってきます。
また、お給料がもらえるのは基本的には理系のようなので、ここで話している内容は文系の方と全く状況が異なるだろうということを前提としてください。あくまで、ある一人の理系の例として読んでいただけると幸いです。
そんな注意点を上げたうえで、書いていこうと思います。
おそらく、ドイツで博士課程に進んでいる人で、給料か奨学金のどちらももらっていないという人はいないと思われます。逆に言うと、それらの予算がない限り、博士課程には進めないということだと思います。
僕の場合(僕の周りの人も)、ある研究プロジェクトの広告が出さされて、それに応募して通った形になります。
その広告にはTV-Lとか、TVöDでE13と載っていました。
このTV-L(Tarifvertrag für den Öffentlichen Dienst der Länder)とTVöD (Tarifvertrag für den Öffentlichen Dienst)という労働賃金協約に博士課程やポスドクといった人も含まれています。
E13の"E"というのが、給料に関するグループ分けで博士課程の人はたいていこのE13というグループに分けられます。
研究所での雇用契約をもらった当初、僕はまだ修士課程修了証明書を大学の方からもらっていなかったので契約書にはE12と、一つ下のグループになっていたのですが、契約開始前に証明書を提出できたので、最初の月からしっかり、E13のお給料をもらうことができました。
さらにここから、フルタイム(約40時間)かそれ以外かということになるのですが、博士課程の人はおそらくフルタイムの50%、65%、75%あたりの契約になると思います。そのパーセンテージによって、給料も変わります。で、その給料の総支給から、保険や税金がひかれたものが手取りとして入ってきます。
ざっくりとして、詳細は結構省いたのですが、そんなお給料体系でドイツの博士課程の人は生活しています。
僕もありがたいことに十分な量をもらっていて、学部生のころの学生ローンを払って行けてますし、貯金もできてたりします。
研究の方で不安になったりメンタルが削られるようなこともあるかと思いますが、それとは別の点(金銭面)での不安はなくなるのでありがたいです。不安は少ないに越したことはないです。
僕が学部生のころ、日本の大学院に進むなんて、まして博士課程に進むなんて到底無理だと思っていたのですが、どうやら日本でも、博士課程の人の待遇の改善の兆しが見え始めているようです。
金銭面が原因で日本での進学を切るのではなく、いつかはその問題が解決して、国内外の進学を選べるような時代になっていけたらなと思うばかりです。
ほかにもいろいろ大変ではあるかもしれませんが...。