結構久しぶりにこのシリーズを書きます。
今後留学を考えている人がこのブログを見ているかどうかは分かりませんが、とりあえず僕がどのような流れでドイツの大学院に進学するに至ったか書いています。(恥ずかしい限りです…)
前回は交換留学前期についてでした。
今回は交換留学後期について書きます。(2回に分けますが連日投稿するつもりです)
前期は周りの人と比べて自分が劣っているように感じてしまっていましたが、後期はさらに色々をグルグル頭の中に考えが出たり入ったりする状況に陥りました。
僕自身は交換留学は1年だったのですが、仲良くしていた多くの人が半年で帰ることになっており、寂しく感じていました。
残っている人全員というわけではもちろんないですが、周りの交換留学生の人たちのノリにどうしても合わせられなくて、残りの半年はより一層静かに過ごしていました。(友達を作るのにかなり時間がかかる性格で…)
完全に独りぼっちというわけではなく、もちろん何人かしばしばあったるする人もいましたし、僕の日本の大学の友人が半年遅れでまさかの同じ大学に交換留学をしてくるということもありました。
こういう、少ないですが、仲良くできた人がいたのは結構大きかったです。
ドイツ語学校の方も大きくメンバーが変わり、増えました。
僕が交換留学に行ったときはまさしくドイツが難民受け入れを積極的にやっていた時で、僕のクラスも8割ぐらいがシリアからの学生でした。
彼らはとにかく勤勉で、クラスのディスカッションでもものすごく積極的に参加していて、自分も見習わなければいけないと思ったことが多々ありました。
ただそれでも、彼らの上達はものすごく早く、いつの間にか全然レベルが違うようにさえも感じてしまいました。
そんな悩み事が毎日積み重なっていく中で、一番大きな悩みといえば、もちろん将来についてでした。
これまでも何度か書きましたが、僕の両親は「留学に行くなら大学院はナシ、大学院に行くなら留学はナシ」ということを決めていました。
ただ、ドイツの大学の研究室に基礎的な部分ではあるものの参加してみて、微生物を学ぶこと、研究することにすっかり興味を持っていました。ただ、どのようなことをしたいのかというのは全然はっきりと決まっておらず、ただただ「微生物を研究してみたい」という気持ちだけが強くありました。
その結果、ドイツ語の勉強と微生物の実験の時間のバランスも考えなければならず、いつからだったか忘れましたが、毎週水曜日のドイツ語の授業は休んで、午前中から微生物の研究室に行くことにしました。
それでもドイツ語学校の試験はどうにかB2レベルをクリアすることができました。
研究室の方でも、多少は学術的な英語にも慣れてきました。
それでも(二連続「それでも」はかなり変な文章ですが)、ドイツ語が普通にネイティブの人たちと話せるようになったわけではなく、研究室でも分からないことがたくさんありました。頑張ろう、頑張ろうと思っていても怠けてしまうこともありました。
自分の情けなさ・疎外感に辛さを覚える日々がずっと続きました。とにかく苦しかったです…。
もちろん楽しいことだってありました。友達と遊ぶことだってもちろんありましたし、長期休暇のときにドイツ以外の国に弾丸旅行をしたりもしました。(1日1か国で空港や列車の中で寝たりして。『水曜どうでしょう』が好きすぎて、番組内に出た街に行ったりもしました)
フィンランド・ポーランド・チェコはかなり僕個人的には好きな国・街でした。
ただ「楽しかったです」で留学を終わらせるわけにはどうしてもいけなかった。この経験をどう次につなげようか、そんなことを考えていました。
語学を勉強するにしたって、学術的なことをやるにしたって、交換留学を終わったらハイ、おしまい、なんてしていたら、それこそ「遊学」なんて揶揄されるものです。
そんな中、やっぱり自分の中には「大学院進学」という考えがもう捨て去ることができなくなっていました。
就職してももしかしたらこの経験を使えるかもしれない、なんてことを考えていましたが、どうしても就職につなげられるイメージが僕にはできませんでした。これは良い部分も、悪い部分もあると思います。
そこで、僕は微生物の研究室の教授に相談しようと決めました。「大学院留学を考えています。海外に進学できるのなら、ドイツかノルウェーの大学院を考えています」と。
(ここでノルウェー・ドイツに絞ったのは学費がEU圏外の学生でも無料だったためです)
教授も忙しいことでしょう。まして、こんな英語もおぼつかないような日本人にこんな相談をされて、ほんとは大変だったのかもしれません。
それでも教授は優しくも、「そしたらこの日に時間を空けておくから、そのときゆっくり話をしよう」と言ってくれました。
そしてその日、僕は教授に自分が悩んでいることについて話しました。かなり個人的な部分もありました。
大学院に行きたい、海外ならドイツのこれらの大学、ノルウェーならこれらの大学に興味がある、親には負担をかけたくないという気持ちもある、そんなことです。
最後に僕は「微生物に興味があるけど、それを将来(キャリア的な面で)どのようにつなげられるか全然わかっていないんです」という話をしました。
すると教授は「君は本当に微生物に興味をもっているんでしょ?」と言って、僕は「はい」と答えました。
「それで十分なんだよ。興味があることをやったらいい」
ほかの人からしたらシンプルで、さも当たり前のことを言っているだけのように思われるかもしれませんが、僕にとっては、僕の中の迷いだとか苦しさみたいのが緩まった感じがしました。
ずっと自分の中に閉じこもってあーだこーだと思索して、できない・やらない理由を考えてばかりの人生(20代ですが)だったのが、ふっと気持ちが軽くなった瞬間でもありました。
小学・中学の時に植え付けられたようなモノがその時少しですがはがされるようなそんな感じだったんです。
その結果、僕は不安ではありましたが、親にこのこと、大学院に進学することを伝えました。
もちろんいい顔はしません。今でもそうですが、しょせん僕は未だに家族の金食い虫で、最低な人間の一種ですが、それでも結局「あんたの好きにしなさい」という返事をもらいました。
重苦しいものが減った感じがしたなか、残りの留学生活を過ごすことになります。
交換留学も、6割7割ぐらいが終わったころだったと思います。
次回で交換留学の時期の話は最後になります。
明日書く予定です。